明日で閉館してしまうシアターNで観てきました。
『マーターズ』で世界的な注目を集めたパスカル・ロジェ監督の新作。
オススメ度:
★★★☆☆
6年前に炭鉱が閉鎖されてから、寂れていく一方の町コールド・ロック。
仕事もお金も無くなった町から、次々と18人もの幼い子供達が姿を消す事件が発生していた。
目撃者によると、連れ去ったのはフードを被った背の高い男。
人々は、それを“トールマン”と呼ぶようになった。
町の人々に慕われていた夫の死後、一人で診療所を切り盛りするナースのジュリア(ジェシカ・ビール)。
ある晩、自宅から息子を何者かに連れ去られてしまう。
必死に追跡するが逃げられてしまい、傷だらけで倒れているところを保護される。
ダイナーに連れて行かれ着替えを借りるが、町の住民達の様子がおかしいこと気付く…。
という物語で、まさかの街ぐるみでの犯罪かよ!???と思ったところから
話は更に進んでいきます...。
単純明快なホラーだと思って観に行ったら、全然違いました。
サスペンス?ミステリー?なのかもちょっと説明し難い映画でした。
マーターズの監督だから、グロを覚悟で観たのに、全くグロがなかったのにはびっくり。
パスカル・ロジェ監督は必要がある時だけしかグロい描写を使わないんだ...とホッとしました。
世に問う作品を作りたいっていう人で、多分とっても繊細な人なんだと思います。
でもそんなことは見終わるまで分からなかったので、終止緊張して最後まで観ていました。
マーターズのときもそうだったけど、構成がうまくて最後まで先読み不可能。
引き込まれてしまいますね。
冒頭で、「アメリカでは毎年80万人の子供が失踪。
ほとんどは数日中に発見されるが、1000人は跡形もなく姿を消す」と説明があります。
この映画はホラーでもサスペンスでもなく、アメリカで実際に起きている社会問題に対して
監督が世に問うための映画だったんだ、ということがラストで分かります。
この問いに対して、考えさせられました。
自分は子どもを幸せにする力があるのか、子どもにとっての幸せとはなんなのか、子どもは親を選べない不条理など...
子を持つ親には厳しいメッセージ性がある映画です。
何が善で何が悪か、という簡単には出ない答えについても考えさせられます。
映画全体の雰囲気はサイレントヒルみたいで好みでした。
ジェシカ・ビールも良かったし、成長したジョデル・フェルランドちゃんも見所です!
シアターNなくなっちゃうから無理だろうなあ、なんて寂しくも思える映画でした。
